ホーム > 市民レポーターの目 > あなたも参加しませんか〜柏・麦わらぼうしの会〜
<大切なこと・良いことだと思うから>

この会はかっての戦争や原爆を体験された人々の苦しみ、思いを風化させてはいけないと、原爆体験者の手記を中心に朗読劇を公演し、平和の尊さ、命の大切さ、思いやりの心、生きる力などを多くの人達に語り継ぎ、大人と子どもが共に考える機会を提案することを目的としています。16年前に発足し市内に住む主婦の方々が主たるメンバーで活動しています。

「戦争や原爆被爆体験者の苦しみ、思いを風化させてはいけない」を会の趣旨として16年もの長期間朗読劇の形で活動出来てきた1番の理由・思いは何なのだろうか?と言うことが、この会のリポーターをお受けした私の最も興味のある点でした。

私は、皆さんが1つのミッションとして使命感を持って活動に取り組まれてきたからではないだろうか、と想像しておりました。しかし実際には「使命感」のような重たいものではなく、「悲惨な事実・体験を後世に伝えていくことを大切なこと・必要なこと・良いことだと思うからやってきた」というお答えでした。

そこには気負いや力の入りすぎは無く、朗読劇を通じて「この問題について考える機会・場をつくりたい」という思いがベースになっているようです。柏和会(柏市在住の原爆被爆者で昭和61年に結成・発足。広島、長崎の祈念式典や柏市平和展、市内小学校の平和集会への参加、朗読劇での被爆体験の紹介など後世の人々にその事実を伝えようと活動しています)との交流や自分達は被爆体験者ではない、自分達に出来る事は限られている、出来る範囲のことをやっていく、という謙虚な姿勢もそこから出ているものなのではないでしょうか。


<厳しい練習風景・全員で行う舞台づくりと撤収>

会場や演者が異なることが常のためか、会場での直前練習は厳しいものです。限られた時間内でスタッフが舞台や照明を作る横で、演者はお互いに容赦なく問題点を指摘し合いギリギリまで精度を上げていきます。緊張感漂う時間帯です。
会場の照明が落ちるといよいよ朗読劇の始まりです。


昭和20年8月6日、朝食後学校や職場に向かう子供達、それを送り出す家人、広島市のいつもの1日の始まりの風景が描写されていきます。

「敵機―!」突然発せられる大きな声。見ている子ども達はここでビクッとし一気に舞台に引き込まれます。原子爆弾を抱えたB29の飛来を告げる警報です。

人々や子ども達は急いで防空壕に逃げ込みますが、しかし同時に原爆は破裂してしまいます。



その瞬間から始まるあらゆる状況は無残、残酷、悲惨な場面の連続です。大豆ご飯を嫌がるわが子を叱って学校に送り出した事を今も悔やむ母、瀕死の息子が語りたがるのを無理やり眠らせその機会を永遠に失った母の後悔、亡くなった母を荼毘に付した校庭に今も心を残す子どもなど数々のエピソードが語られ、会場は引き込まれていきます。

そして、現在の広島市での平和祈念式典、子ども達の平和の誓いの紹介で劇は終わります。


朗読劇が終わり生徒達が体育館から居なくなると、さあ撤収です。女性陣がほとんどなので重い機材や大きな物の搬出から車への積み込みはなかなか大変です。ついさっきまで演じていた役者も表情を一転させ、全員であっと言う間に撤収完了です。

その後、皆で昼食をとる時もありますが、その時も反省点、注意点などお互いの気のついた事はどんどん言い合います。言われた方も素直にそれを聞き、意見を言います。練習時といい公演終了時といいお互いのやりとりにはサッパリした風通しの良い雰囲気が感じられます。

これが、この会をみんながまとまって気持ち良く16年間も続けてこられた重要な要素、風土、伝統、文化のひとつであるように思えました。


<皆で手作り、広い参加者層>

この会の会員は小学生からおばあ様まで幅広く男女が参加しています。その中にはある公演でキップもぎりを手伝った女子高生が「次は自分も出たい」と加わった例など、公演を見て触発され参加した方もいます。

主婦の方々が中心メンバーですので、時間を作ったり、家を空けたりすることへのご苦労も大変なようですが、皆さん家人・周囲の理解と協力を得て活動されています。アミュゼ柏での夏公演では全員が班単位で広報、企画印刷、展示、当日受け付けなどを分担して準備活動を行いました。公演では小中高生も大活躍し、とても好感が持てました。



<改善された公演環境>

今年度受ける事が出来た市の助成金は主として各種照明・音響機器類の購入に充てております。これらの増強は劇の訴求力の向上、練習機会の自在化、公演場所・機会の拡大など全体の活動レベルの向上に大変有効でありました。


<これから>

この会にも課題はいくつもあります。

人材の確保(演者を増やしたい)、特に若い世代を募集したい、定まった練習場を持ちたい(毎回の練習場探しは大変)、機材の置き場所の確保等がその一部です。

課題はありますが、何より市行政の有形無形のご支援を頂きながら、今後も皆さん明るく風通し良く言いたいことを言い合って、劇と活動のレベルをさらにアップし、元気に活動されることと確信しております。

特に原発事故の発生による、原子力エネルギーと人との共存の仕方が現実の課題としてある現在、朗読劇を通じて見る人々に考える機会を作り続けている活動の意義は大変大きいものがあると思います。

この意義ある活動がいつまでも継続されていくことを心より祈念致します。

(平成23年10月 市民活動レポーター 山田 耕三)


●柏・麦わらぼうしの会
 代表:村山 久美
 連絡先:04-7173-0656(児玉)
 
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