ホーム > 市民レポーターの目 > 僕たちの“居場所”はここに・日本語を第2言語とする(JSL)児童生徒の教科学習を支援する〜「JSL児童生徒の日本語と教科学習の支援会」〜
<柏市との協働事業>

 みなさん、ご存知でしょうか?柏市が平成17年度に“協働事業提案制度”を創設し、地域課題の解決を図るための体制を整備したことを。

 この制度は、柏市民公益活動団体(※1)からの企画・提案をもとに、柏市とその団体が協力・連携しながら“事業”を行うというものです。その事業は通常1年で終了となりますが、“必要性が高い”とみなされたものについては、その後も継続されて行きます。今年度までに7つの事業が既に実施され、その中の1つであるJSL(※2)は、柏市在住の外国人児童生徒に教科学習支援を行っている団体なのです。

 JSLの活動は、補助金の交付を受けた“たまごコース(※3)”から始まり、現在では柏市から対等なパートナーとして“委託”されて事業を行う(協働事業)団体にまで成長しました。


<同じ仲間が集う場所−週1回の学習会>

 平成23年10月1日土曜日、午前9時30分。柏第一小学校の図書室に中学生が集まりました。今日の参加者は男女合わせて9名。その中には高校受験を控えた3年生もいます。

 この場所に集まった子どもたちは、日本語を“第2言語”として柏市内の中学校に通っています。学校の中で外国人は自分ひとりだけという心細い環境、culture(文化)の違いから気の合う友達が少ない、日常会話に支障は無いけれど教科学習の日本語に自信がない、不安になる、といった傾向が見られます。JSLが主催する週1回の学習会は、そのような子どもたちの為に教科学習を実施し、コミュニケーション作りのお手伝いをしているのです。

“ここに来れば仲間がいる、先生がいる” ─JSLがそんな子ども達を見守り続けて5年が経ちました。


<先生は皆さんボランティア>

平成18年度から柏市と“協働事業”を行っているJSLの活動には3つの目的があります。

  JSL児童生徒の日本語支援と教科学習支援
  JSL児童生徒の居場所作り
  JSL児童生徒の地域での支援と交流を通じての共生社会作り

 この目的を掲げて積極的な活動を支え続けているのは、ボランティアの先生です。会の代表である加藤あさぎさんは、現在も麗澤大学で教鞭を取られている先生ですが、週末にはJSLの先生になり、子どもたちを熱心に指導します。

 他の先生方のキャリアは実に様々で、学校の先生を定年退職された方・海外赴任生活での経験を役に立てたいと思って参加された方たちがいらっしゃいます。どの先生も“熱意と思いやり”を持って子どもたちに接しています。

「JSLの先生を募集する際に性別も年齢も問わないんですよ。」と代表の加藤さん。「生徒に対して誠実に向き合い、責任を持って教科指導できる方であればどなたでも大丈夫です。」という言葉に、JSLの長期にわたる“継続性”と柏市から信頼を受けた、“対等なパートナー”’として活動していることがわかりました。



<みんなで一緒に頑張ろう!>

 午前10時30分。学習会が始まって既に1時間が過ぎました。机いっぱいに参考書や問題集を広げて、先生と子どもたちは休憩も取らずに学習を進めます。

 漢字が多い「公民」の専門用語をノートに書いて覚えようとする3年生、中間テストを間近に控えて英語の復習をする1年生、的確なアドバイスを行う先生たち……。参加者全員が学習に取り組む姿は真剣そのものでした。

“今いるこの場所” ― つまりそれは、子どもたちにとって“学びの場”であり、かつ自分を支える“居場所”になっていました。


<安定と継続 ―JSLのこれからの課題>

 現在、柏市教育委員会にJSLの要請がある児童生徒の数は中学生8名・小学生11名。
「JSLの支援を受けられる子どもたちに問題は無いのですが、本当は私たちの支援が必要かもしれない子どもたちに、もしかしたら手が届いていないことがあるのかも……。」と危惧する加藤さん。

 教科学習支援を受けるためには学校からの要請が必要です。その要請を受けた学校教育部指導課からJSLに連絡が入ったのち、児童生徒は学習会へ参加となります。
支援の必要な子供たちにきちんと手が届くように考える加藤さんは、「柏市学校派遣日本語支援の会」(※4)との連携も大切だと考えています。

 さらに、効果的な活動を行うためには柏市との情報の交換や共有も欠かせないので、学校教育部指導課指導主事の岩永さんと電話やメールなどで常に連絡を取るように心掛けています。

 JSLの今後の課題を考えるのであれば、今まで以上に柏市と連携すること、支援を本当に必要とする児童生徒の把握、団体として成り立つ安定性と持続性が必要となるのではないでしょうか。
(平成23年11月 市民活動レポーター 金指奈緒子)

  ※1 一定の要件を満たし、柏市に登録している団体のこと。
  ※2 JSL・・・Japanese as a second languageの略。
     ここでは「JSL児童生徒の日本語と教科学習の支援会」をJSLと表記している。
  ※3「立ち上げ支援」の愛称。たまごコース・ひよこコース・かるがもコースがある。
  ※4 日本語の初期支援が必要な児童生徒のための団体。
      JSLは教科学習支援を主軸とするがこちらは日本語習得を目的とする。


●JSL児童生徒の日本語と教科学習の支援会
 代表者:加藤 あさぎ
 連絡先:kashiwa_jsl-gakushukai@yahoo.co.jp(@を小文字に)
 ホームページ:http://kashiwanpo.genki365.net/gnkk07/mypage/index.php?gid=G0000042


●協働事業提案制度の詳しい内容は,http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/400100/p001054.html へ。
 
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