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気軽に、楽しく防災福祉 〜柏グリーンハイツ自治会〜


「あー! 外れた!」
「惜しい、惜しい!」

 10月のある晴れた月曜日、集合住宅内の小さな公園に明るい声が響きます。声の主は40代から60代の男女10名ほど。

 サンダル履きに普段着のままで、グラウンドゴルフに興じています。

 これは、「柏グリーンハイツ自治会」が行う「屋外コミュニケーション事業」。住民同士が気軽に交流できるようにと、会員の国保京子さんの発案で始まりました。



< 災害に強い「柏グリーンハイツ自治会」>

「柏グリーンハイツ」は、昭和51年に入居がはじまり、間もなく自治会が発足しました。会員は、入居している132の全世帯。近年、集合住宅では自治会自体がないところも多々見られます。自治会加入率100%は注目すべき事例です。

 そのような環境にあるからでしょうか、住民の地域に対する貢献意識は非常に高いようです。「柏市防災福祉K-NET」に登録した支援者数は、災害時要援護者数を超え、組み合わせ率はなんとこちらも100%。平成23年3月11日に発生した東日本大震災の際にも、しっかり機能したそうです。

「柏市防災福祉K-NET」とは、柏市が実施する安全・安心の取り組みのこと。高齢者や障がいのある方など、災害時に支援が必要な方(災害時要援護者)に対し、円滑に安否や所在の確認を行うための仕組みです。

 同じ地域に住む方々に支援者として登録していただき、組み合わせを作っていきます。しかし、ライフスタイルの多様化する現代においては、うまく機能しない地域も多いようです。


< より多くの人を救うために……、グラウンドゴルフ! >

 しかし、K-NET組み合わせ率100%を誇る「柏グリーンハイツ自治会」も、まだまだ課題は多いと国保さんはおっしゃいます。

 住民が同時期に入居する集合住宅の例にもれず、柏グリーンハイツも高齢化の波が押し寄せています。国保さんや自治会長の篠原泉さんの印象では、65歳以上の方が半数以上とのこと。独居の方も多いようです。しかし、要援護の希望を出さずにいる方も多いのではないか、と懸念しています。

 改善のためには、住民同士が気軽に顔を合わせる機会が必要。でも、これ以上自治会役員の負担は増やせない……。

 そんな折、国保さんはグラウンドゴルフを体験する機会に恵まれます。「試しにやってみた」程度でしたが、男女ともに大好評。そこで、前述の「屋外コミュニケーション事業」を思いついたのです。

 柏市民公益活動補助金でグラウンドゴルフ用のホールとクラブのセットを購入、参加者を募りました。


< いつでも誰でも、気軽に参加 >

「最初は人を集めるのが大変でした」と話す国保さん。

 当初は、掲示板にチラシを貼り、また、前年度の自治会役員に電話をかけて参加を呼びかけました。1回目は義理で参加した方もいたかもしれません。しかしリピーターとそのクチコミで、参加者は徐々に増えていきました。

「屋外コミュニケーション事業」に固定のメンバーはいません。固定の開催日もありません。平日は、天気が良ければ毎日プレイしています。同好会ではなく住民同士の交流が目的なので、やりたい時に、やりたい人が、気軽に参加できる。これが特徴です。

「ねえ、ちょっとやっていかない?」

 買い物に出かけようとしていた方に声をかけ、巻き込んでいく国保さん。初めてだから、と遠慮がちだった参加者も、クラブで玉を転がし、輪の中に入れるだけ、という簡単なゲーム内容に、次第に夢中になっていきます。

 時間が経つにつれ人数も増えていき、クラブが足りなくなってしまうほど。参加者は、お互い譲り合ってプレイを続けていました。


< 確実な効果、そしてこれから >

 少しずつ増えていく参加者の中には、初対面の方もいます。自己紹介をしながらゲームを進め、プレイを通して親しく声をかけあう姿も見られました。

「この事業を始めたことで、これまで外でおしゃべりをすることがなかった方が、みんなと一緒に笑っている姿を見ることができました」と、国保さんは効果を確信しています。

 しかし、満足はしていません。もともとはK-NETの要援護者と支援者との関係づくりに活かしたいと考えていましたが、まだそれは実現できていません。また、子育て世代の参加を進め、多世代交流を図りたいとも考えています。そして、最終的には住民同士の自由な交流のツールになること。これが国保さんの目標です。

「今は私が幹事のような形になっています。でもゆくゆくは、やりたい人が自治会の事務所から道具を出してきて活動するようになってほしいんです」

 寂しくなったら公園に出て行けば誰かがいる。そして、知らない人同士もグラウンドゴルフを通しておしゃべりする。そんな姿が見られる日も、遠くないに違いありません。

(平成24年10月 柏市民活動レポーター 有馬 貴子)

■柏グリーンハイツ自治会
 代表者:篠原 泉
 連絡先:04-7167-5280(国保)
 
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