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みんなで「科学」の話をしませんか?
〜柏の葉サイエンスエデュケーションラボ〜


< KSEL誕生秘話 >

 兼ねてより国立天文台の観望会でスタッフとして活躍している代表の羽村さん。そこで一般の方々と科学の話をする機会が多いことがヒントとなり、この団体が誕生しました。

 街づくりを研究されていた前代表の協力のもと、お二人が在籍する東京大学のある柏の葉に、科学と教育を軸にした触れ合いの場を作ることをテーマに活動を開始しました。

 そんな意味が団体名にこめられています。「柏の葉サイエンスエデュケーションラボ」略してKSELです。


< 楽しいイベントの中身とは? >

 様々な世代向けに、楽しい科学のイベントを毎回企画されているKSELですが、「実は科学の魅力を知ってもらうことを一番の目的としているわけではないんです」という羽村さん。

 最大の活動目的である柏の葉の街づくりに貢献するには、柏の葉の地域住民の皆さん、東大を始めとする大学の学生さん、柏の葉で働いている人々等、柏の葉を拠点として活動する人々同士が、科学の話題で交流を深める場を提供することこそが地域活性化に結び付くと考えています。科学を交流のきっかけにしてもらいたいとの想いです。

 イベントの中身を見てみましょう。参加者に対して科学の話を一方的にするというわけではありません。普段は大学や高校で専門的な研究をしているスタッフに対し、本当に初歩的な科学の疑問だったり、あるいは研究の道を志したきっかけだったり、参加者の方から聞いてみたいことを気軽に聞ける交流の時間が設けてあります。この交流がきっかけで仲が深まり、イベントのリピーターも多いようです。


< 未来のママ候補、集まれ! >

 イベント参加者を年代別に見ると、若い女性の参加が圧倒的に少ないのが実情と語る羽村さん。しかし、これから結婚して家庭を持つ若い女性にこそ、イベントに参加してほしいと考えています。

「家族みんながいつでも科学に触れることができる空間づくりができるのは母親であり、そのことを将来の母親候補である若い女性達にも伝えていきたいのです」と語ります。

 家庭の中からいつでも科学に触れることができるように変わっていくことができれば、家族全員が科学に親しむ姿勢が育まれます。その結果、街全体にも科学に親しめる文化が広がり、科学を通した固有の文化が醸成されていくのではないかとの考えです。

 しかし、科学のイベントともなれば、科学に関わったことがない人、特に文系の若い女性からすると敬遠されがちです。そこで、お菓子作りを通じて科学を楽しむイベントを開催したり、12月にはクリスマスにからめた内容の科学フェスティバルを企画したり、気軽に参加しやすい雰囲気づくりを意識して行っているそうです。

 また女性の語らいの場でもある柏の葉キャンパス駅前のカフェに、KSELスタッフお勧めの科学関連本を紹介するコーナーを設置して、科学に手軽に触れることができる環境づくりにも努めています。何とか科学に対する敷居を低くしてもらいたいとの想いを実現すべく、スタッフ同士日々アイディアを出し合っているそうです。


< KSELのこれから >
「科学とは先人達が積み上げてきたものの上で行う単なる遊び」という言葉を代表の羽村さんは大事にしています。

 一見科学と聞くと難しく感じますが、私たちの周りを見渡せば、科学の恩恵にあやかっていないところなどなく、実は常に身近にあるものなのです。

 そのことにKSELのイベントに参加すると気付かれる人も多く、「ものの見方が広がった」という参加者からのコメントがよく聞かれます。

 課題もあります。
 ある程度団体の認知度は上がってきたものの、柏の葉の街全体に浸透したかと言えばまだまだで、特に科学に馴染みのない人にはなかなか認知されていないのが現状です。
 
 このような馴染みのない人々に、どうすればイベントに足を運んでもらえるようになるかが大きな課題なのです。

 加えて、学生が中心となって活動していることもあり、年次ごとにメンバーの入れ替えもあって、かなりスタッフの人数が不足しています。より質の高いプログラムを提供する上で、人材確保は必須です。これもまた早急な課題です。


< 若者のパワーに触れて…… >

 学生時代、典型的な文系であった私ですが、羽村さんのお話をうかがって、科学にとても興味が湧いてきました。そう言えば、イトカワから物質のサンプルを持ち帰った「はやぶさ」は、その道に詳しくない私にも感動を与えてくれたし、金環日食は、私の眼を太陽にくぎ付けにしてくれました。「科学とは遊び」というのも納得です。

 また、こうした身近な科学をイベントやスタッフとの交流を通じて多くの人々と語り合える、そんな場を提供するために試行錯誤しながら活動するKSELに、とてつもないパワーを感じます。

 最近、毎週火曜朝6時半から1時間半、科学についての自由な語らいの場として事務所を開放する、朝活広場「えんがわ」という取り組みを始めたそうです。将来、科学の世界を背負って立つメンバーとの交流で、皆さんも元気になれること間違いなしです。

(平成24年9月 柏市民活動レポーター 河野 祥子)

■柏の葉サイエンスエデュケーションラボ
 代表者:羽村 太雅  
 連絡先:ksel.sci@gmail.com
 ホームページ:http://udcx.k.u-tokyo.ac.jp/KSEL/index.html
 
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