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地域の歴史を生活の一部に〜富勢地域ふるさと協議会〜



<ふるさと協議会とは?>

富勢地域ふるさと協議会は、地域の皆さんとコミュニケーションを図りながら街づくりをしている、柏市でも最も活動的な協議会の一つです。その歴史は、昭和55年にまで遡ります。

かつて柏市の人口は、昭和45年から5年間の間に一気に5万2千人もの増加を見せたことがありました。

これだけの人口増加を伴えば、地域にもともと暮らす人と新しく住み始めた人の交流が必須となってきます。

そこで、昭和55年以降、当時の鈴木市長の提案により、柏市内に20の「ふるさと協議会」が次々と設立されました。

富勢地域ふるさと協議会は、設立当初から、住民同士がそれぞれ支え合って、暮らしやすい富勢地域を創っていこうと、日々活動されています。


<協議会は人材の宝庫>

協議会の運営には、かつて現役でバリバリ活躍し、定年を迎えて今度は富勢のために力を注ぐという、経験豊富で活力のあふれる方々が中心となって構成されています。

社会で積んだ経験は人それぞれで、皆さん個性を兼ね備えていらっしゃるようです。

総務部長は「みんながそれぞれ得意分野を持っているので、役割を分担しながら仕事をしています」と言います。

毎月様々な行事を開催するとともに、協議会の広報紙を毎月発行されています。

さらに地域の子供たちへの歴史講義や、伝統行事である八朔相撲の開催など、目に見える活動がこれほどまでに多いのは、こうした役割分担が十分に生かされているに違いないからだと感じました。



<富勢は観光資源の宝庫>
協議会長を始め、皆さんが「富勢は観光資源がとても豊富なんです」と口にします。

富勢と聞いて思い浮かぶのはまず布施弁天ですが、実際地域一帯を歩いてみると、それだけではないことに驚かされます。

富勢地区の歴史を紐解いてみるとよくわかります。

江戸時代、江戸防衛のため幕府が利根川に橋をかけなかったことから、16の定船場が設置されました。現在の新大利根橋付近にあたる布施と取手を結ぶ七里ケ渡もその一つで、水戸街道の脇往還として、その当時は大変栄えたそうです。

俳人の小林一茶もよく利用した渡しで、再々訪れていたようです。東海寺を詣でた際に、「米蒔も罪ぞよ鶏がけ合ぞよ」と一句詠んだことでも知られています。さらに物流で栄えたこの地域ならではの馬頭観音も、道路脇には多数顕在しています。

この歴史をどう守り、後世に伝えていくか。こうした活動にも日々取り組んでいます。



<地域への愛情がこもった手作り百科事典>

この歴史活動の一環として、多面的な視点からまとめられた膨大な量の「みんなの富勢百科」という百科事典が作られています。

歴史を伝えるには、まず過去を知る人から教わらなくてはなりません。

富勢ふるさと協議会の皆さんの手により、地域に住むお年寄りから、若かりし頃の富勢地区についてヒアリングを行い、その話を元に過去の富勢を呼び起こして作成されています。

これは、誰でもいつでも閲覧できるように、近隣センターや図書館に置かれており、ホームページでも見ることができます。また、紙面上だけでなく、より良く親しんでもらうため、富勢の歴史や名所を映像で振り返るVTRを作成されたりもしています。

こういった歴史を伝えるための資料作りに柏市からの補助金が使われているそうです。だからこそ、魂のこもった、充実した内容になっているのです。

この立派な百科事典をどう利用してもらうか、ということがこれからの大きな課題です。

今後の取り組みとしては、現在収集整理された富勢百科を活用して、まずは人々の暮らしに身近な衣食住の観点から、歴史と結び付けていこうと企画されています。

毎月発行されている広報紙に、伝統料理を紹介することもその一環です。生活の中で地域の歴史を身近に感じて楽しむにはどうしたら良いか、日々アイディアを出し合っています。

この企画のリーダーである総務部長も、「百科事典というのは本棚にあるだけじゃ意味がないんです。使ってもらわないと」とおっしゃっています。


<人生の大先輩から教わったもの>

歴史というものは時間と共に風化してしまうものです。話をする中で、それを協議会の皆さんが一番不安に思っていらっしゃることが伝わってきました。

歴史ある富勢を守るために、昔を知る方に話を聞いたり、古文書の読解をしたり、尽力される姿には頭が下がります。

また、「多少の年月がかかっても、『みんなの富勢百科』を地域の皆さんにとって生活面での手引きや座右の銘として実用性を備えたものにしたい」という総務部の皆さんの強い考えに、とても感銘を受けました。

協議会の皆さんの、「社会」で培ってきたたくさんの知識や力を、今度は「地域」というフィールドで住民の皆さんのために還元するという生き方は、なかなかできることではないと思います。

地域のコミュニティーが希薄になってきていると言われる昨今、このような志の高い大先輩方の熱心な取り組みを知って大きな力をいただきました。

私自身、柏市に移り住んで2年半、何となく地域に目を向けることに身構えてしまっていましたが、これをきっかけに、今一度自分の住む地域を見つめてみようと思います。自分なりの活動方向や座右の銘を見つけていきたいと考えています。

(平成24年12月 市民活動レポーター 河野 祥子)

■富勢地域ふるさと協議会
 代表者:後藤 敏
 連絡先:総務部長 加藤 強一 筺04−7132−3100 
 協議会ホームページ:http://www7a.biglobe.ne.jp/~furusatotomise/
 
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