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世代を越えたふれあいの町づくり〜宮前町会〜


宮前ふれあい会館の扉を開ければ、地域の人が顔を出し、談話室からは子どもたちの笑い声が、会議室からは碁を打つ乾いた音が響いてきます。

公園の跡地に建てられた宮前ふれあい会館は、子どもから高齢者まで世代を越えて住民が集う、屋根のある公園のようです。

柏市中央部に位置する宮前町会は、1980年に設立された比較的あたらしい町会です。少子高齢化が進み子育て支援や高齢者の生きがいづくり、世代間の交流が大きな課題となっていました。



そこで宮前町会は、平成24年3月に「宮前ふれあい会館」を設立したことをきっかけに、市民公益活動補助金を活用し多世代交流を目的とした宮前ふれあいの町づくり事業を実施しました。



<宮前ふれあい会館の常時オープン>

月曜日を除き毎日ふれあい会館を開館することは、全国でも先駆的な取り組みです。

宮前町会の会館の活用方法は、会議やイベントの準備、備蓄などに留まりません。住民が講師となり住民同士で教えあい学びあう「趣味の会」の開催、絵本やおもちゃの設置、フリースペース(談話室)の開放など住民が集まる工夫を凝らしています。

最大の特徴は、約45名の住民ボランティアが『世話役』として管理を行っていることです。春から世話役を務める日下部さんが「世話役をやらなかったら家に引きこもっちゃうよ。会館に来れば町会の人と会えるでしょ。私ね、ここに住んで幸せよ。」と語ったように、会館を支える側もやりがいを見出せる仕組みになっています。

いつでも集まれる場があり、集まりたいと思うきっかけがあり、地域の誰かと会えること。この3つが安心につながり、会館の利用者が増えているようです。

ふれあい会館の活用促進に大きな役割を担ったのは、補助金を活用して重点的に実施した広報です。町会の動きや会館のイベント等を盛り込んだ広報紙を毎月全戸配布し、町会全体で情報共有できるよう努めました。その成果は、イベントの活性化にも現れています。



<多世代交流イベントの実施>

子ども、青年、子育て世代、働き世代、高齢者……。多世代という言葉に内包される様々な世代が交流できるきっかけづくりを目的に、補助金を活用しイベントを実施しました。そのひとつ、平成24年12月に開催した餅つき大会を見学しました。

エプロン姿の地域のお母さんたちがお餅に絡めるあんこやきなこを手際よく用意している中、「私手伝うよ」と小さな手があがりました。

腕まくりをして大根おろしを作り始めたのは、小学生の和ちゃん。それに続くように次々と子どもたちが集まってきて、作り方を教えてもらいながら一生懸命お手伝いをしていました。

子どもたちが自然に大人に混ざって活動する姿が、これまで実践してきた取り組みの成果を示しています。 

子どもたちは放課後や休日に良く会館を利用すると言います。「おもちゃがあるし、広いし、秘密の部屋もあるし、いっつも誰かがいるからね」と言う子どもたちにとって、会館は居場所のひとつになっています。

他の地縁組織の中には子どもの参加に頭を悩ませる地域もある中、宮前町会のイベントには何故子どもたちが集まるのでしょうか。

宮前町会では、「子どもたちが楽しめるものはまち中に溢れている。町会ならではのイベントを」と、知恵を絞ります。町会のイベントの常連だと言う和ちゃんの「とっても楽しい。だって、学校じゃできないことができるんだもん」という言葉の通り、宮前町会は子どもたちの心をしっかりと捉えているようです。子どもたちの楽しかった思い出が連なり、地域への愛着につながっています。

さらに、子どもだけではなく大人も楽しめるよう、内容の充実に意欲を燃やします。平成24年度は親子をターゲットにしたイベントを開催し、若い子育て世代の参加を促しました。

現在の課題は、将来の町会の担い手である40代50代を引き込むことです。「いかに現役世代を巻き込んでいくかが難しい」会議で交わされる言葉には、次年度へ向けた熱意が込められていました。



<次の世代へ>

やはり、町会の活動は現役世代にとっては負担なのでしょうか。

餅つき大会にスタッフとして参加した女性は「イベントが多いので正直大変です。でも、先輩方からいろいろなことを教えていただけるので、とても勉強になります」と、やりがいを見出していました。

また子育て世代の女性は、「町会の方々が自分の孫のように接してくれることは、ほんとうにありがたいことだと思います。今は仕事があって町会活動に参加できませんが、いつか私たち世代が引き継いで、今してくださっていることを次の世代に伝えていけたらと思います」と語っていました。

この言葉のとおり、宮前町会の取り組みはゆるやかに、確実に、次の世代に引き継がれています。

「最大の成果は挨拶が増えたこと」と、上田会長は言います。
「子どもだけじゃなく、若いお父さんお母さん、働き世代の方も挨拶をしてくれるようになった」と喜びを噛みしめていました。

ふれあいの輪を拡げ、みんなで支えあう安心安全の町づくりは、宮前ふれあい会館を中心に住民の手によって広がっています。

(平成24年12月 市民活動レポーター 布施 ゆき)

■宮前町会
 代表:上田 史郎
 所在地:柏市柏1298−13
 電話:04-7164-2018
 
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