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話(わ)から生まれる平和の輪〜障がい理解推進チームWa’s〜



「誰でも歳をとれば障がいを持つ」。

この言葉を聞いて、皆さんはどのように感じますか? 昔と比べ平均寿命が格段に延び、認知症や脳梗塞などの後遺症を抱える人も増えています。さらに心の病とも隣り合わせの現代社会。

「障がい理解推進チームWa’s」主催のシンポジウムの会場にて、参加者より発せられたこの言葉は、そんな私たちの生きる今を、障がいとは何かを、もう一度考えるきっかけになるかもしれません。



<集い、共有し、共に歩む>

「障がいのある人や家族の孤立」というテーマに沿って解決策を考えていく「障がい理解シンポジウム2012 in柏」(平成24年10月19日開催)。


参加者はスタッフ4名のほか、福祉関係者をはじめ、家族会の方や障がい者本人など12名。

この日行われたグループ討論では、障がいに対する知識や理解不足から起こる偏見や差別、多様性を認めない社会、制度の問題などが挙げられ、議論が交わされました。


また、「家族でも(子どもの)障がいを認めるのが難しい場合もあります。だからサービスを利用しようとしない。(障がいは)自分の責任だと思ってしまうのですよね」と語る家族の言葉から、障がいをオープンにできる環境がないことが浮き彫りになりました。


「障がい理解を教育に盛り込むことや、接する機会を作ることが大切」、「有名人のカミングアウトなどでイメージが実際に変わってきているし、効果的だと思う」などの声があり、制度面では「家族と行政の橋渡しをする組織や人材がもっと必要」などと意見がまとまりました。

さらに、「障がい者割引などはない方がいい」との意見もあり、障がい者本人・家族・福祉関係者それぞれの生の声が飛び交う場でした。今回の討議により出されたこれらの意見は、Wa’sを通して、市役所や児童相談所、発達センターなどに提供されます。


<3つの“わ(Wa)”を繋いで>

正しい理解を広め、“心のバリアフリー”を実現させるためにはどうしたらよいのでしょうか。そんな課題に、積極的に、そしてパワフルに切り込んでいくのがWa’sです。

「障がい者が地域で幸せに暮らしていくためには、『障がいについて話せること』『支援の輪が広がること』『和める場所があること』、これら3つの“わ(Wa)”が大切」をコンセプトに、代表の大隣裕子さんを中心に5名で活動しているWa’sは、障がい児子育て支援サークル「虹色くらぶ」より独立し、今年度発足しました。

基本的に単独での定期活動はしていませんが、イベントを通して様々な団体と連携し合うことで、ネットワークの中に成り立っています。



<発信し、知り、理解する>

発足後、最初の活動となったのが、「障がい理解コンベンション2012 inちば」(平成24年6月3日開催)でした。

こちらは柏市の後援・補助金を受け開催されたイベントで、「自閉症をもっと理解して自閉症の可能性を探そう!」をテーマに、自閉症を題材にした映画『ぼくはうみがみたくなりました』の上映と、ご本人も重度の自閉症である東田直樹氏の講演の二部構成で行われました。

柏市だけでなく、近隣の市や首都圏を中心に各地から集まった参加者は222名に上り、中には福岡から参加した方もいたそうです。福祉・教育関係者や家族のみならず、講演者の東田氏のブログ読者や、内容に興味を持ち参加した方が約1割いました。

「自閉症について正確に描かれている」と大隣さんが絶賛する映画は、「自閉症を知らない人に見てもらうには良い映画だと思った」「イメージが変わった」「ぜひ教育教材に!」と、参加者の方からも好評でした。

また、講演会では「障がい者への配慮、障害特性に合った支援は必要ですが、それが特別扱いや本人を傷つけるものであってはならない」など、支援のあり方や理解するということについて、考えさせられる場面もありました。



<障がいと仲良くなるためには?>

障がいについて発信する「コンベンション」と、情報交換のための「シンポジウム」。2つのイベントを終えた今、新たな課題も見えてきたと大隣さんは言います。「興味を持って参加してくれた方々に、障がいについて知ってもらうのと同時に、イベント自体を楽しんでもらうためにはどうしたら良いか。これが今後のテーマです」。

一方、活動を通して改めて再確認したこともあったと言います。それは、Wa’sの考えの核ともいえる、「子どもの頃に障害児者と接する経験・体験がある人の方が、障がいに対する受容力が高い傾向にある」ということ。

そこで、今後は障がい理解教育を広めるために活動を拡げていくそうです。現在、「夏休み子供教室―障がいってなぁに?」(仮)と題し、子どもを対象とした参加型のイベントを企画中です。また、家族支援もさらに充実させていく予定です。

様々な手続きや制度について知ってもらうために、障がい児ママ向けのパンフレットや行政マニュアルの作成を進めています。「不登校になり、統合失調症などを患って初めて、知的障害や自閉症に気づくこともある(シンポジウム参加者より)」など、障がい発見の遅れゆえに、学校や社会に馴染めず、精神障害も抱えてしまうこと(二次障害)もあります。


また、知識や情報のないままに親になった障がい者家族のうつ病も大きな問題となっており、これらを少しでも減らすために、家族へのサポートは不可欠ではないでしょうか。まずは家族が障がいについて知り、共有し、早期に療育等の適切な対応をしていくことで、防げるものも少なくないのです。

歳をとって、交通事故に遭って、心の病を抱えて……、いつ障がいが身近になるかわからない時代。「そんな時にも、夢や目標を持ってポジティブに暮らせるように、(日頃から)障がいを身近に感じてもらいたいですね。

究極のねらいは、“障がいはカッコイイ!”と感じることができる社会になることです!」と大隣さん。情報を発信し、共有し、障がい理解教育の普及に向けて突き進むWa’sの活動は、なにか大きな風を巻き起こしてくれるのではないか、そんな期待を感じずにはいられません。

(平成25年1月 市民活動レポーター 飯田万里奈)

■障がい理解推進チームWa’s
  代表者:大隣 裕子
  連絡先:090-3428-5328
       was-kashiwa@jcom.home.ne.jp
  ホームページ :http://was-kashiwa.jimdo.com/
 
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