【H19補助金団体④】こんぶくろ池自然博物公園調査隊(その1)
詳細
こんぶくろ池は、自然科学の貴重な教材
~こんぶくろ池自然博物公園調査隊~
つくばエクスプレスが開業して2年。柏の葉キャンパス駅のほど近くにこんぶくろ池はあります。ここは、開発が進む柏の葉地区において、「奇跡的に」残された貴重な自然です。
こんぶくろ池を守る活動としては、「こんぶくろ池を考える会」が12年前から活動していますが、昨年新たに「こんぶくろ池自然博物公園・里山隊」並びに「こんぶくろ池自然博物公園・調査隊」が発足しました。
調査隊の代表であり、考える会の代表も長く務めている大貫遵子さんにお話を伺いました。
=こんぶくろ池は生命の宝庫=
こんぶくろ池は、貴重な植物の宝庫だということをご存知でしょうか。亜高山帯(上高地や戦場ヶ原)にある樹木のズミをはじめ、千葉県の「レッドデーターブック」記載の保護植物が20種近く残されています。特に、紫の可憐な花をつけるコバギボウシが森全体に数多く残っていたり、キツネノカミソリの群落があるなど、貴重な植物が数多くあります。
また、こんぶくろ池の生態系にも特徴があります。例えば、昆虫を見てみると、「湿地」「草原」「山林」という異なる地域で生息する昆虫がこの地域にいることが確認されています。
渓流に棲息するオオクロナガゴミムシが東大の久保田准教授によって発見されています。都心に近い地域で、このような豊富な生態系を持つ森は稀有とのこと。こんぶくろ池周辺は、近隣大学のフィールドワークにも使われています。
森の維持・保全と聞くと、単純に樹木や植物を守ることだと思いがちですが、森は植物以外にも、昆虫・菌類・野鳥といった様々な生物が生息する場です。多様な種の生命活動が絡まりあい、多彩で豊かな生態系を形成しています。木々を移植して造成した都市公園でも緑に触れることはできます。しかし、そこには長い年月を掛けて培われた動植物の営みは存在しません。長年経過した森を残すことは、それだけ多くの生態系を残すことなのだとこんぶくろ池は教えてくれます。
さらに、草刈を続けることで、自然の復元力により、ツリフネソウ、ノジトラノオ、コシオガマなど以前あった植物の群落が再生しています。ツリフネソウには、マルハナバチやクマバチ、ヒメクロホウジャクなどの昆虫類が蜜を求めてやってきています。
その2へ続く
こんぶくろ池の動植物をコラージュしたポスター
ピットホールトラップ(プラスチックカップを土中に埋め込み,落ちた昆虫の種類を調査
採集した植物の標本作成
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