まなび屋講座「江戸のはやり病Ⅱ~8代将軍徳川吉宗の奮闘」
公開日:2022年10月14日 最終更新日:2022年10月14日
2022年10月度「まなび屋講座」
実施日:10月11日(火) 10:00~12:00 パレット柏多目的ルームA
♦テーマ: 「江戸のはやり病Ⅱ」~八代将軍徳川慶喜の奮闘
♦講師:二松学舎大学講師・松尾政司先生
♦参加者:一般3人、会員3人、スタッフ3人 計9人
♦講座内容:
*江戸のはやり病シリーズ(全3回)の2回目。8代将軍吉宗は元禄から享保の麻疹・疱瘡などの疫病にどのように対応したかのお話。レジュメは、B4(A3に拡大して配布)9枚に及ぶ素晴らしい内容でしたが、PR不足で一般客が取り込めず残念だった。
*元禄・享保期は、1地震、2富士山噴火、3麻疹、4飢饉と災害の多発期だったが、時の為政者である将軍の大奮闘で乗り越えたのである。このことが称えられ、吉宗は名君と誉め称えられている。
*吉宗は、貴族的教養には乏しかったものの、実学を好み、宮崎安貞の「農業全書」座右の書とし、古文書の収集地誌・地図に関心を持っていた。日本全国の人口調査を行ったのは吉宗がはじめて。
*この時代は疫病が多発するも、医員の人材も医術も乏しかった。吉宗は薬や医術に深い関心お持ち自ら疱瘡の薬・紫雪妙法丹、陰陽二血丸、白牛糞を調合するほどであった。
*当時の薬として舶来の朝鮮人参があったが、非常に高価で万民に用いるのは難しかった。そこで、全国あまたの薬草探索に奔走した。薬草探索、薬の調合には、諸国の薬師、医業などの英知を結集して調査研究を奨励した。地方の人材・丹羽正伯、阿部友之進、植村佐平治などを用人として登用した。
*薬草の知識、製薬や処方技術などの開発成果は、幕府藩医のなかには留め置かず、広く庶民に還元した。例えば、疱瘡薬「白牛湯」は江戸の町の人々へ無償されている。
*医学書の刊行にも力を注ぎ「東医宝鑑」「普救類方」「薬法書付」を刊行した。「普救類方」は平易な漢字・ひらがな交じりで書かれた庶民向け医学書である。