2023年7月度まなび屋講座「江戸の娯楽⑴~お伊勢参りと旅の楽しみ」
公開日:2023年07月17日 最終更新日:2023年07月18日
♦テーマ: 「江戸の娯楽~お伊勢参りと旅の楽しみ」)
♦講師:二松学舎大学講師 松尾政司先生
♦参加者:一般14人、会員4人、スタッフ3人 計21人
♦講座状況・講座概要:
*二松学舎大学の松尾政司先生の講座です。今年度は「江戸の庶民の娯楽」を取りあげます。1回目の講座のテーマは「お伊勢詣でと旅の楽しみ」です。
*元禄時代以降、庶民の楽しみとして“旅”が盛んになりました。その背景には戦乱の世から平和な時代になり、参勤交代などで諸国の街道が整備され人の往来が容易になったこと、江戸中期以降の飢饉やはやり病、天災などで寺社詣でが盛んになったことなどがあります。
*野田市域舟形村には「伊勢太々西国巡礼・諸国参詣日記」が残っています。舟形村は石高や村人口から見てかなり裕福な状態であったようです。名主クラスの住民はかなりの財力もあり、豪遊と言えるお伊勢参りと諸国見物を行いました。
文久2(1862)年12月17日一向26人で舟形村を出発、翌年4月28日に帰村するという大旅行でした。伊勢では太々神楽を奉納し、正月の御膳を楽しんでいます。その後「四国巡拝」など4コースに分かれ各地を見聞しています。
*一方、保谷市史によると弘化4(1847)年正月29名で伊勢講中を行っています。この事例では、舟形村ほどの豪遊ではなく、伊勢に大々御神楽を奉納して、折り返すという行程です。道中の総額は127両。伊勢講で毎月掛け金を積み立て、4年がかりで資金を積み立て講中を実現させています。
*伊勢詣での普及により、その後、川崎大師参詣、箱根権現詣で、浅間神社参詣、江戸見物など
旅の大衆化となっていきました。
♦次回予定:8月10日(木) 「土佐日記」(服部一枝先生)